それってどんな学び方?

専門職大学について漫画で説明!

専門職大学とは、一言で言えば大学と専門学校のいいところを集めたとも言える新たな高等教育機関です。
新しい教育機関が設置されるのは1964年の短期大学制度以来のことで、今教育業界で最も注目されている出来事の一つです。

従来の大学や専門学校との違いとして一番大きいポイントが、授業の内容です。
一般教養や学術研究と併せて専門知識を学ぶ大学は、学問を修得するという側面が強くありました。
そのため何かの技術や知識に特化した教育というよりは、知見を広げ、社会への適応力を備えるという印象です。

一方専門学校は大学よりも短い2年制を基本とし、実習などの時間を多く確保した実践を意識したカリキュラムが組まれています。
学校毎で目的がはっきりと分かれており、何かの職業や資格を目指して特化で学ぶこととなります。

そして専門職大学は、双方のメリットを組み合わせた学校となります。 今までよりも社会から実践力が求められる世の中になってきたことにより、大学を卒業してから専門技術のために専門学校へ再進学する人は少なくありません。
そうした学び直すニーズに早急に対応する必要があるとして誕生したのが、此度の専門職大学です。

専門職大学は大学と同等の設備や教員数を抱えながら、各専門性の高い業界と連携した教育が義務付けられています。
卒業するための単位取得に企業内実習が含まれる必要があり、これまでの教育機関よりもなお就職及び即戦力に繋がる学校になると予測されます。

改めて各教育機関の特徴を比較してみましょう。 大学は学部や学科の選択による専門教育の他に、一般教養と呼ばれるどこの学校でも共通して学ぶ内容のカリキュラムが組まれています。
そのため実習やインターンシップ等の機会は他の二つに比べると限られており、知識を広く重点的に養うことで汎用性の高い学生を育てています。
日本の学生の5~60%は大学へ進学するほど認知されており、とりあえず大学へ入っておけば問題ない、と考える人が今でも少なくありません。

専門学校はその名の通り何らかの知識や技術に特化したカリキュラムを組むことで、業界即戦力の人材を育成することを目標にした機関です。
大学よりも設立のために必要な要件が少ないため、その自由度を活かした社会的に柔軟なカリキュラムを組むことが可能であり、その点が大きな強みです。
その柔軟さの例として昨今話題のYouTuberやプロゲーマーを目指す学科を開設した学校もあります。
もちろん美容師や看護師といった国家資格が必要な専門職を目指す場合は大学に負けない強みが専門学校にあります。
具体的に就職や資格取得を目指した学びが得られるため、また大学よりも早く社会人として働くことが出来ること等もあって進学率は増加しています。

そして2019年4月からスタートする専門職大学ですが、設立の難しさは大学と同等でありながら専門学校に負けない専門性を学ぶことが出来る新しい教育機関です。
専門職大学卒業時には「学士(専門職)」を修得できます。これは大学卒業と同じ意味合いであり、その一方で豊富な実習を経験しているため専門性の高い環境で即戦力として働くことが可能となるのです。
基本的に4年制となり、そのうちの3~4割が実習、長期企業内実習も20単位以上と定められています。
なお専門職短期大学については2~3年の修業となり、長期企業内実習は10単位とされています。

なんとなく大学と専門学校の中間のような、大学で学びつつ専門技術を身につけられるというイメージはついたでしょうか。
専門職大学という新しい進路が生まれたことで、以下のようなケースへの模範回答が生まれたのかもしれません。

「やりたいこと、気になることはあるけど親が大学に行っておきなさいと言うので大学を探している…」
「大学行ったって遊ぶだけだろう、と言われて高卒での就職を検討している」
「専門学校で学びたいことがあるけど安定も欲しいので大学がいいのかと悩んでいる」

当然これ以外にも悩みはあるとは思います。
しかし専門学校が専門性の高い仕事に就くため、大学は学んだ知識を活かせ仕事に就くためと考えたとき、どちらも学べる専門職大学は間違いなく有用な選択肢の一つとなります。
まだ卒業生ばかりか入学生すらいないので実例はありませんが、教育業界の注目、期待に応えられる機関となることが期待されています。

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