通信制大学ランキング | 大卒扱いになるの?選び方、メリット&デメリットを紹介!

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投稿日:2024年3月27日 | 最終更新日:2024年5月1日

通信制大学とは?

通信制大学とは、テキストを使用した「テキスト授業」、スマホやパソコンで動画を視聴する「メディア授業」、指定会場に一定回数通学する「スクーリング授業」、これらを組み合わせて学習する大学です。

通学制の大学と異なるのは学びのスタイル。
基本的に自宅学習が中心で、様々な学びのニーズに対応しているため、地理的・時間的な制約がある人にも大学教育の機会を広く提供することができます。

通信制大学には入学試験がなく書類選考で入学できることが多く、高校卒業または高等学校卒業程度認定試験(高認)に合格していれば入学できます。4月と10月の年2回、または4月のみを入学時期としている大学が多いです。

1年次に入学した場合の修業年限は4年で、在学年限は修業年限の2倍の最長8年としているところが多いですが、それ以上や年限を定めていない大学もあります。

通信制大学は大卒扱いになるの?

通信制大学は学校教育法で定められた「大学」であるため、定められた単位を取って卒業すれば、通学課程の大学と同様に「学士」の学位が授与され、大学卒業資格が得られます。

大卒扱いというよりも正式に「大学卒」となり、「通信制大学は学歴にならないのでは?」と心配する必要はありません。就職時に「大卒」を採用条件としている求人にも問題なくチャレンジできます。

ただし大卒資格を得られるのは「聴講生」「科目別履修生」などではなく、正規の課程を履修した場合(正科生)に限ります。

卒業要件となる最低限の単位数は通学課程と同じ124単位です。さらに通信課程では、そのうちの30単位以上は面接授業またはメディアを利用して行う授業により修得するとされています。(大学通信教育設置基準より)

近年ではICTの発達により、同時双方向型で行われる遠隔授業も面接授業と同等に扱われるようになりました。通信制では卒業に必要な124単位すべてをメディア授業により修得することも可能になり、サイバー大学など完全オンラインで大学を卒業できる通信制大学も誕生しています。
サイバー大学の詳しい紹介はこちら

ただし卒業には卒業試験や総合面接試験をクリアする必要があるなど大学や学部により異なる部分もありますので、各大学に確認しましょう。

通信制大学に進学する人はどんな人?

在学する人の年齢層は幅広く、働きながらキャリアアップを目指す社会人や、育児や家事をしながら資格取得を目指す主婦・主夫、新たな教養を求めるシニアなど、多様な学生が在籍しています。

社会人入学のイメージが強い通信制ですが、最近では18~22歳の割合が増加していて、高校を卒業してすぐの人たちにも通信制大学が受け入れられやすくなっているようです。

通信制大学では、働きながら学びたい、大学が遠くて毎日通うことができない、自分のペースで勉強したいなど様々なニーズを持つ人に学びの門戸が開かれているのです。

通信制大学の入学理由ランキング

なぜ通信制大学を選んだかのか、具体的な入学理由も確認してみましょう。
私立大学通信教育協会「入学者調査」(令和4年度)によると、入学の動機は多い順に次のようになっています。

  1. 大学卒業資格を得るため  31.7%
  2. 職業上の資格を得るため  23.3%
  3. 職業上の知識・技術習得  13.0%
  4. その大学で学びたいため  11.8%
  5. 教養のため        8.0%
  6. 生涯学習・再学習のため  7.8%
  7. ことさらに動機はない   0.1%

大卒資格や職業上必要な資格取得を目的に入学している人が多いことがわかります。

通信制大学は何校あるの?

2023年4月時点で日本全国の通信制大学は44大学あり、約18万人が学んでいます。(正規課程のみ。短期大学・専門学校・大学院を除く)
なお、学生募集を継続している通信制大学に絞ると42大学になります。

国立の通信制大学(正規課程)はなく、キャンパスを持つ通学制の私立大学が通信課程を設けている場合や、通学制はない通信教育専門の私立大学があります。

一昔前だと、通信制大学は大卒資格がほしい社会人が通う学校というイメージがありました。しかし、近年では遠隔授業の体制も普及しており、多様な学びのスタイルの一つとして若い人でも通信制大学を選ぶ人が増えています。
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通信制大学では何が学べるの?

通信制大学ではどのような学問ができるのでしょうか。分野別の学生数の割合を見てみましょう。

分野 割合
社会科学 23%
芸術 11%
人文科学 11%
教育 7%
保健 3%
家政 1%
理学 0.5%
工学 0.2%
その他 42%

※文部科学省:学校基本調査(令和5年度)より算出

「社会科学」は法学や経済学、「芸術」は美術やデザイン・音楽、「人文科学」は文学や私学・哲学などの学科が含まれます。「理学」は数学、「工学」は土木建築工学です。「その他」にはITや環境、人文社会など複合的な学科が多く含まれます。

通信制大学にも理工系があるものの、文系が多数を占めています。現時点では、特殊な機材の使用や実験の機会が少ない文系の学科のほうが通信制に向いているのでしょう。しかし、今後はAR(拡張現実)やVR(仮想現実)など新たな技術の普及により、通信制大学で学べる分野は増えていくのではないでしょうか。
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通信制大学のメリット

●学費が安い

通信制大学のメリットの一つは、やはり学費の安さです。

通学制の大学の入学料・授業料を含めた4年間の学費は、国立大学で約250万円、私立大学(文系)では約400万円はかかります。
一方、通信制大学で卒業までに要する学費は4年間で約70~100万円。1年間の学費は10万円~30万円程度の大学が多いです。

つまり、通信制大学では費用を抑えて通学制と同程度の学びを得られるのです。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金も利用でき、学校ごとに授業料免除制度や奨学金制度を利用できる場合もあります。学費の分割払いの仕組みが用意されているところもあります。

ただし学費は大学によって大きく異なるので、事前に確認してみましょう。

●時間的・地理的な制約が少ない

通信制大学は自主学習がメインのため、時間的・立地的制約が少ないです。
仕事をしていても自分のペースで学習できるし、頻繁にキャンパスに通える地域に住んでいなくても学び続けることができます。

インターネットの発達により、完全に通学不要な通信制大学もあります。

●編入制度がある

通信制大学では、ほとんどの場合2年次・3年次・4年次への編入が可能です。

例えば過去に大学を中退したが2年次までの単位は取得しているという場合は、通信制大学の3年次に編入できる可能性があります。
単位が認定されるかは大学や科目によると思われますが、編入が認められれば過去の単位を活かして学べ、通信制大学を早く卒業することができるようになります。

●資格が取得できる

資格や試験には定められた養成機関で学ばなければ受験や資格取得ができないものも多くあります。
通信制大学では、教員免許、保育士資格、認定心理士や社会福祉士など、学科によってさまざまな資格取得を目指すことができます。

約3割の人の入学理由になっている通り、取得できる資格をもとに学校を選ぶ方も多いです。

通信制大学のデメリット

●卒業しにくい

試験なしで入学できることの多い通信制大学ですが、卒業は簡単ではないといわれることも多いです。
卒業率を公表している大学は少なく、通信制大学には編入学により2~3年で卒業する人や5年以上かけて卒業する人も多いので有効な卒業率を出すのは難しいのですが、実際にはどうでしょうか。

文部科学省の学校基本調査によれば令和4年度に4年間の在学期間で卒業した人は10,346人、令和元年度に正規の課程1年次に在籍していた学生数は21,200人です。

通学制の大学の卒業率8~9割と比較すると確かに低いですが、しっかり卒業している人も決して少なくないことがわかります。

働きながら学ぶことが大変だということはもちろんですが、卒業よりも学ぶこと自体を目的に入学している人もいるため、全体的な卒業率だけで通信制大学は卒業できないとするのは早計です。
個別に確認すれば卒業率80%以上という通信制大学もあり、実際には大学・学科によりかなり異なると思われます。

ちなみに、2022年度の通信制大学卒業生の在学年数の割合は次の通りです。
最短年数での卒業にこだわらず、自分のペースで学習を続けられるのも通信教育の特長ですね。

通信制大学の卒業生の在学年数

在学年数 人数 割合 (%)
4年 10346 53.5
5年 3948 20.4
6年 2010 10.4
7年 1148 5.9
8年以上 1868 9.7
19320 100

※文部科学省:学校基本調査(令和4年度間卒業生)

通信制大学の卒業率(正規の課程)

年度 学生数 卒業者数 卒業率
2018年度 162539 17451 10.7%
2019年度 162547 17400 10.7%
2020年度 161142 17934 11.1%
2021年度 170277 18761 11.0%
2022年度 179877 19320 10.7%

※文部科学省:学校基本調査より算出

卒業しやすい通信制大学の選び方

いずれにせよ、卒業には自分自身のスケジュール管理が重要になります。

仕事を優先してしまい思うように単位を取れないというケースも多いので、自分のライフスタイルに合った通信制大学を選ぶ事が重要です。
自主学習がメインのため、やる気を維持することも大切なポイントです 。

パンフレットやホームページでカリキュラムやシラバスで確認できますし、やる気の維持が心配な方は学習サポートが充実した通信制大学を選ぶと良いでしょう。

記事の後半では卒業率や履修率の高い通信制大学を紹介しているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

●スクーリングが必要

eラーニングによる遠隔授業が広がり、現在ではサイバー大学など通学を一切必要とせず完全オンラインで卒業まで完結できる通信制大学もありますが、大学や取りたい資格によっては通信課程であっても対面で直接指導を受ける「スクーリング」が必要です。

スクーリングは学校が指定する日時に会場に行く必要があるので、社会人の方にはデメリットになることも多いでしょう。
休暇を取る必要があったり、交通費や宿泊費がかかったりする場合もあるため、無理なく通える通信制大学を選ぶのがおすすめです。
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通信制大学ランキング

通信制大学は基本的に無試験で入学できるので、学力テストなどの結果で表される偏差値はありません。
大学を選ぶとき何を重視するかによって項目別に調べることが重要であるため、学校を選ぶ際に気になるポイントを比較して通信制大学をピックアップしました!

卒業率

通信制大学での卒業しやすさや、本当に卒業できるのかは気になるところだと思います。

●人間総合科学大学: 約80%

人間を「こころ」「からだ」「環境・社会」の3つの領域から総合的かつ科学的に追究・理解する人間科学部 心身健康科学科。
「ライフプロモーションコース」または「こころとからだのデータサイエンスコース」を選択して学び、認定心理士や社会福祉主事、心身健康アドバイザーなどの資格取得も目指せます。

卒業率は8割以上と公表しており、全国の通信制大学の中ではトップクラスの卒業率を誇ります。
インターネットを利用した学修システムの整備や、通信制大学にはめずらしい学生一人ひとりを専任の教員が受け持つ「担任制度」を採用しているところが、高い卒業率につながっていると思われます。

学費も入学金等を含む初年度合計で315,000円。授業料は半期で145,000円で、添削指導料や科目修了試験受験料、スクーリング受講料などが含まれているため追加費用の心配が少ないです。
人間総合科学大学の詳しい紹介はこちら

●産業能率大学: 72.8%

経営・税務・会計・人材・組織マネジメント・スポーツ・心理学・医療・福祉など幅広い学びのコースを持つ産業能率大学の通信課程。
3年次編入学生が大学入学者の約8割を占め、その卒業率は留年なしで72.8%(2023年3月度卒業生)です。

オンライン学習環境が整っているため通学なしで卒業を目指せること、初学者でも興味を持ちやすいよう考え抜かれたオリジナルテキストなどが高い卒業率のポイントです。

学費は年間の授業料が20万円で、テキスト代やスクーリング受講料等も含まれているため基本的に追加費用はかかりません。入学料等も含めた大学4年間でかかる費用は84万円とリーズナブルです。
産業能率大学の詳しい紹介はこちら

履修継続率

学習スタイルが人それぞれで卒業率がわかりづらい通信制大学ですが、学び続けている人の多さを示す履修の継続率は、大学の満足度や途中であきらめる人が少ないことの目安になります。

●サイバー大学: 91.1%

IT総合学部を持つ日本初のフルオンライン通信制大学。
テクノロジーとビジネスの両面を教えることを基本コンセプトにIT・ビジネスの基礎から応用まで学べるのはもちろんのこと、教養や外国語の科目も充実しています。

学位プログラムよりも小さな単位で学修成果を証明する「マイクロクレデンシャル制」を導入したカリキュラムで、学歴も学習歴も証明できる人材に。
オンラインを最大限に活用した充実の就職支援で将来のキャリア設計を支援します。

授業も試験もすべてをオンライン上で行う通学が一切不要の通信制大学ですが、福岡キャンパスや東京オフィスがあり、図書館や学習室などの大学施設を利用することも可能です。
授業料は1単位22,000円で、自分が履修する単位分を支払うため学費に無駄がありません。
サイバー大学の詳しい紹介はこちら

学生数

●京都芸術大学 芸術教養学科: 1.5万人以上

入学試験なし、経験不問。自分らしい「学び方」や「学ぶこと」を選べる日本初・日本最大の通信制芸術大学。
練りあげられたカリキュラム、丁寧な添削・指導で、初心者も基礎から体系的に、専門分野を深められます。

オンライン学習の充実で学びやすさを拡充し、スクーリングは週末2日間、遠隔(オンライン)、東京、京都のいずれかのキャンパスで開講。オンライン、オフライン問わず学びの場が豊富です。

芸術教養学科の授業料は170,000円で卒業まで4年間にかかる学費の目安は730,000円。
文芸・アートライティング・書画・イラストレーション・映像・食文化デザインのコースでも授業料は348,000円で卒業まで4年間にかかる学費の目安は1,442,140円~。
コースによりスクーリングや教材の費用が変わると思われますが、芸術大学としてはリーズナブルに学ぶことが可能です。
京都芸術大学の詳しい紹介はこちら

合格倍率

●早稲田大学人間科学部eスクール: 1.7倍

早稲田大学人間科学部eスクールは、スクーリングを除くほとんどの課程をeラーニングで行う、2003年に始まった通信教育課程です。「環境」「健康・福祉」「情報」など人間に関わる問題にアプローチできる人材の育成を目標にしています。

eスクールの入試では学科試験は実施しませんが、1次選考は志望動機書による書類選考、2次選考で面接試験を行います。
2年次編入学のαコースと、入学から最短で4年間をかけて卒業を目指す1年次入学のβコースがあり、2023年度 一般選抜入学試験の合格倍率はeスクール全体で 1.7倍、βコースに限ると2.3倍になります。

学費はβコースの授業料(単位料)が37,400円×登録単位数なので、卒業に必要な単位を全て取得しようとすると一般的な通学制の私立大学と同程度になる可能性がありますが、卒業率は6割弱と高めです。
早稲田大学の詳しい紹介はこちら

まとめ

通信制大学は学費が安く、基本的に入学試験がありません。

卒業するにはそれなりに覚悟が必要であることは事実ですが、「学びたい」と思う強い意志があれば、不登校などの経験があってもチャンスがあります。

様々な学校を比較してみて、自分に合った大学を選んでみましょう!

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